「ロマンを追い続けたい」
酔っぱらった副編集長がいつも言っている言葉である。
ロマンとは程遠い生活を送ってきた私である。
ロマンとは何なのか?そんなことを考えながら今日も亀戸の街を歩く。
佐野みそ本店
駅の近くを歩いていると何やら雰囲気のあるお店に出会った。
佐野味噌醤油とある。
中を覗いてみると何やら樽に入った味噌が並んでいる様子。日本人の血が騒ぎ入店。
味噌に威圧される店内
いざ店に入ると大樽!大樽!大樽!圧巻の光景である。
そう、佐野みそ本店は昭和9年から続く老舗の味噌専門店なのである。なんと日本全国から選りすぐった約60種類のこだわりの味噌が常時並んでいて、昔ながらの量り売りをしている。
開店して5分後ぐらいに入店したが、店内には人がちらほら。
ファンも多いみたいだ。
一緒に来ていた料理人でもある副編集長も店に入った瞬間からめちゃくちゃテンションあがってました。
数多くの味噌の中から、一つを選ぶのもよし、2種類をブレンドしてみるのもよし、など買い方は人それぞれだ。
でもブレンドするとしたら60種類から組み合わせるから…あれ?何通りだ?
小学生の時に、組み合わせとかの計算を算数でやっていたはずだが…ダメだ。完全に忘れている…大学を出ていてもこんなもんである。まぁでも1000通り以上の組み合わせはあるだろう(たぶん)。
隣では副編集長がなにかブツブツ言いながら目をキラキラさせている。
「これとこれとこれがいいかな..いや、こっちとこっちもありだなー」
1000を超える味噌の可能性から自分にあったオリジナルのブレンド味噌を探し出すことに心を躍らせているようだ。
なるほど、これがロマンなのか。
さー、ロマンを求めて私も味噌を選ぼう!
うーん、でも多すぎて何が何だか…
そんな人でも大丈夫!(なんかCMっぽくなってしまった…)
この店には店独自の検定に合格した噌ムリエ(ソムリエ)がいて、個人客だけでなく、料理店の相談にも対応できる味噌のプロのアドバイスのもと選ぶことができ、それぞれの味噌に合った料理も教えてくれるようだ。
そんなこんなでアドバイスをもらいつつ味噌を選んでいたが、さっきから店内には味噌の香りが広がっていて腹が減ってしょうがない。
日本人だもの
そう、ここ佐野みそ本店には味噌の販売だけでなく食事を提供しているイートインスペースもある。
これはズルい。
絶賛ダイエット中であっても、みそ汁とおにぎりという最強コンビからの誘惑に惹きこまれるようにイートインスペースへ。だってしょうがない、日本人だもの。
一緒にダイエットをしている副編集長に「これだからデブは…!」と罵られ、この時代にパワハラなんじゃねーかと思いながらメニューを見る。
メニューはというと
みそ汁は季節にあった6種類の味噌から一つ、もしくは二つ選んでブレンドするスタイル。
今回は素おみそ汁の焼きおむすびセットにして、「祇園」と「金亀子」をチョイスして注文。
カフェ風ででてきた。みそ汁もカップに入っていてなんかオシャレだった。
とりあえずみそ汁からいただく。沁みるー。二日酔いだとなおさら。
濃い目がいいという私の好みをもとに噌ムリエさんがしてくれたアドバイスもバッチリだった。
焼きおにぎりについている4種類のおかず味噌も当然焼きおにぎりに合ってうまい。酒の肴にもよさそう。
ちなみに具おみそ汁セットを選ぶと、写真の野菜全てと肉か魚を選ぶようだ。
しまった。次回はこっちにしよう…
ロマンを求めて
心身ともに満足感を得ながらまた店内をグルグルし。噌ムリエさんのアドバイスのもと選んだ2種類を購入。
家に帰ったら日頃の感謝を込めて副編集長にみそ汁を作ってみよう。
はじめての手料理である。愛情込めて作ろうかと思ったが、こんなことを言うと最近ホ○疑惑をかけられているのでやっぱりやめておこうか。
ちなみに言っておくが私は女の子が大好きだ。
ただ、手前みそであるがこのブレンド味噌で作るみそ汁は絶対うまい!
うまいことを言いつつ、この記事をどう締めようか考えながら書いていると、亀戸餃子本店の紹介でも少し登場した大使館の元料理長のおじいちゃんが覗きこんできて
「へー、今時こんな量り売りをしているところあるんだ。しかも60種類あるっていいなー、楽しそう!ワクワクすんなー、今度行ってくる!」
いくになってもロマンを求める人がここにもいた。
お店の情報
店名:佐野みそ 本店
住所:東京都江東区亀戸1-35-8
電話番号:03-3685-6111
営業時間:[月~土] 9:00~19:00
[日・祝]10:00~19:00
[みそ汁カウンター]11:00~17:30(L.O.17:00) 日曜営業